手形を紛失・盗難されたままにしておくと悪用されたり、善意の第三者が受け取ってしまうおそれがあります。手形を何とか無効にするため、自分が手形金を受け取る権利を保持するために裁判所に公示催告の申立をします。
手形や小切手の紛失、盗難、滅失した時に限って公示催告は、認められます。横領されたり、だまし取られた場合には公示催告は認められません。
公示催告とは、裁判所が「この手形を所持している人は、一定期日までに裁判所に届け出なさい。もし届け出ないと、その手形は無効になります。」と公示することです。(一定期日までの期間が公示催告期間で6ヶ月以上の期間がとられます。)
申立は、手形に記載された支払地を管轄する簡易裁判所に行います。その際銀行の手形の交付証明書、振出人の振出証明書、警察の紛失届出証明書や盗難証明書などを添付しなければなりません。消失した場合は消防署の羅災証明書等を付けて出します。公示催告の期間中に、手形を持っている人から届出がないときは、申立により除権判決を受けることができます。この判決により手形は無効となり、その旨が官報に掲載されます。
公示催告期間内に手形の所持人から届出があったときは、催告手続が中止され紛失、盗難された方と手形の所持人とどちらが正当な権利者であるかが通常の訴訟手続により争われることになります。