How to でんさいHow to
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How to でんさいHow to
目次

取引先から「次回の支払いから、でんさいを使いたい」と打診されて、少し驚いた経験はありませんか。
経理担当として初めてでんさいの案内を受けたとき、「手数料はどっちが払うのが普通なの?」という疑問に直面するケースは少なくありません。
見慣れない仕組みを前にして、自社が損をしないか不安になるのは自然なことです。
この記事では、でんさいの手数料負担に関する疑問を解消するための情報をまとめました。
この記事でわかること
でんさいの手数料負担に関するモヤモヤは、実はとてもシンプルな原則で解決します。
結論から言うと、手数料は「発生記録を請求した側」が負担するのが基本ルールです。
つまり、取引を主導してシステム上で手続きを行った側が、コストを負う形になり、従来の銀行振込とは少し違う考え方となっています。
でんさいのシステム(発生記録)を動かした人が手数料を払うのが基本で、取引のイニシアチブを取る主体が直接的な費用を負担するという設計になっているためです。紙の手形のように「受け取る側が印紙代を負担する」といった暗黙の了解とは異なる点に注意が必要で、後述する「先方負担」の設定を行った場合はこの原則の例外となります。
具体的に、誰が負担するのかを以下の表にまとめました。
| 請求方式 | 概要 | 手数料の負担者 | 負担の理由・背景 |
|---|---|---|---|
| 債務者請求方式 | 支払人(債務者)が、でんさいの発生を請求する | 支払人(債務者) | 自ら支払い手続きを進めるため |
| 債権者請求方式 | 受取人(債権者)が、でんさいの発生を請求する | 受取人(債権者) | 自ら代金の受け取り手続きを進めるため |
従来の銀行振込では「振込手数料は支払う側が負担する」のが一般的です。
しかし、でんさいの場合は「どちらからアクションを起こしたか」が基準になります。
多くの中小企業では、支払人側が手続きを行う「債務者請求方式」が主流です。
そのため、実務上は支払う側(債務者)が手数料を負担するケースがよく見られます。
でんさいを利用する際、具体的にどのような手数料がいくらかかるのか気になりますよね。
金融機関によって名称や金額は異なりますが、おおむね300円〜600円台が相場です。
自社のメインバンクの手数料表を初めて見ると、種類が多くて戸惑うこともあるため、まずは主な手数料の種類と金額の目安を押さえておきましょう。
手数料の種類は複数あり、メインとなる「発生記録手数料」の相場は330円〜660円程度で、各金融機関が独自の料金体系を設定しているため金額に幅があります。自行宛てか他行宛てか、オンライン手続きか窓口手続きかで金額が大きく変わるため注意が必要で、月額基本料が無料の銀行もあれば数千円かかる銀行もあるため事前確認は必須です。
でんさいにかかる代表的な手数料と相場を、表で分かりやすく整理しました。
(※金額は目安であり、詳細は各金融機関の最新情報をご確認ください)
| 手数料の種類 | 概要・内容 | 金額の相場(目安) | 備考 |
|---|---|---|---|
| 発生記録手数料 | でんさいを発生(発行)させる際の手数料 | 330円〜660円程度 | 他行宛ては高くなる傾向がある |
| 譲渡記録手数料 | 受け取ったでんさいを第三者に譲る際の手数料 | 110円〜330円程度 | 分割して譲渡する場合も同程度 |
| 発生記録取消手数料 | 間違えて記録した内容を取り消すための手数料 | 550円程度 | 窓口手続きだと割高になることが多い |
| 月額基本手数料 | サービスを利用するための固定費 | 無料〜3,000円程度 | 取引件数に応じて変動するプランもある |
このように、でんさいの手数料は一律ではありません。
取引先から提示された条件が妥当かどうか迷ったら、まずは自社の取引銀行のウェブサイトを確認してみてください。
いくつかの銀行の料金表を見比べるだけでも、相場観が掴めて安心できます。
先ほど「請求した側が負担する」とお伝えしましたが、実は例外も存在します。
それが、取引先同士で話し合って負担者を決められる「先方負担(指定金額)」という便利な設定で、非常に柔軟な仕組みが用意されています。
事前の合意があれば、発生記録手数料の負担者を相手方に変更でき、企業間の力関係や従来の商慣習に合わせた柔軟なコスト配分を可能にするためこの仕組みが設けられています。この設定を利用するには取引先との事前協議と明確な合意が欠かせず、金融機関のシステムによってはこの機能自体に対応していない場合があります。
「先方負担」の設定を活用すると、実務上で以下のような調整が可能になります。
| 想定されるケース | 請求方式 | 通常の負担者 | 先方負担設定後の負担者 | メリット・活用シーン |
|---|---|---|---|---|
| 受取人が請求手続きを代行する | 債権者請求方式 | 受取人(債権者) | 支払人(債務者) | 支払人の事務負担を減らしつつ、コストは支払人が持つ場合 |
| 振込手数料の商慣習に合わせる | 債務者請求方式 | 支払人(債務者) | 受取人(債権者) | 「振込手数料は受取人負担」という従来のルールを維持したい場合 |
たとえば、受取人側が「手数料を引かれたくない」と考えるのは自然なことです。
その際、この仕組みを活用して支払人側に負担をお願いすることも可能です。
勝手に設定すると後で揉める原因になるため、必ず事前に「どちらが払うか」を相談して決めてください。
経理担当者として避けて通れないのが、インボイス制度への対応です。
でんさいの手数料も課税取引に該当するため、正しく処理しないと仕入税額控除が受けられません。
制度開始のタイミングで「この手数料の消費税はどう処理するのか」と迷う経理担当者は多いと言えます。
でんさいの手数料は消費税の課税対象であり、仕入税額控除を受けるには適格請求書が必要で、金融機関が提供する電子決済サービスに対する対価として消費税が発生するためです。明細書や利用控えが適格請求書の要件を満たしているか確認が必要で、金融機関によってインボイスの提供方法(Webダウンロードや郵送など)が異なる点にも留意しましょう。
実務で慌てないために、インボイス制度に関する確認ポイントを表にまとめました。
| 確認する項目 | 具体的なチェック内容 | 経理処理上のポイント |
|---|---|---|
| インボイスの形式 | 金融機関から発行される明細書等に、登録番号が記載されているか | インボイス要件を満たさない書類では控除不可 |
| 取得方法 | インターネットバンキング上の画面コピーで良いか、専用書類のダウンロードが必要か | 月次の経理業務フローに組み込んでおく |
| 消費税の区分 | 発生した手数料が「課税仕入」として正しくシステムに入力されているか | 帳簿への正確な記載(軽減税率対象外)を徹底する |
| 先方負担時の処理 | 相手方に手数料を負担させた場合、値引き処理とするか立替処理とするか | 取引先との間で処理方法の認識を合わせておく |
特に「先方負担」を利用して手数料を相殺した場合、経理処理が少し複雑になります。
売上値引きとして処理するのか、それとも手数料の立替払いとして処理するのか、自社の顧問税理士に一度相談しておくと、安心して日々の業務に取り組めます。
手数料をどちらが払うかに目が行きがちですが、もっと広い視野で見てみましょう。
でんさいの真の価値は、手数料を支払ってでも得られる「総合的なコスト削減効果」にあります。
紙の手形を発行する手間や印紙代を計算してみると、その差に驚くはずです。
手数料がかかっても印紙税や郵送費がゼロになるため、トータルでは大幅なコスト削減となり、電子データで完結するため物理的な紙に関する税金や管理の手間が一切かからないことがその理由です。ただし取引件数が極端に少ない場合は月額基本料などで割高になることもあり、従来の支払い方法(手形か銀行振込か)によって得られるメリットの種類が変わる点にも注意しましょう。
紙の手形、銀行振込、そしてでんさいのコストや手間を比較表にしました。
| 比較項目 | 紙の手形 | 銀行振込 | でんさい |
|---|---|---|---|
| 印紙税 | かかる(金額に応じて高額になる) | かからない | かからない(電子データのため非課税) |
| 手数料 | 手形用紙代、取立手数料など | 振込手数料(数百円程度) | 発生記録手数料(数百円程度) |
| 郵送費・封入作業 | 必要(書留など高い郵送費がかかる) | 不要 | 不要 |
| 管理・保管コスト | 金庫での厳重保管が必要 | 不要 | 不要(システム上で管理) |
| 紛失・盗難リスク | あり(再発行の手間が膨大) | なし | なし |
特に、高額な支払いが多い企業にとって、印紙税が非課税になるメリットは絶大です。
「手数料を払うなんてもったいない」と感じるかもしれません。
しかし、手形を発行して封筒に入れ、郵便局へ持って行く時間と人件費を考えれば、十分にお釣りがきます。
でんさいは非常に便利ですが、見えにくいコストやリスクがあることも忘れてはいけません。
とくに、支払い期日前に資金化する「割引」や、第三者に「譲渡」する場面では注意が必要で、初めて譲渡する際には「もし相手が不渡りを出したらどうなるのか」といった疑問が浮かぶこともあります。
期日前の割引には割引料がかかり、譲渡した場合は連帯保証のようなリスク(遡求義務)が生じるため、資金を前倒しで得るための金利相当分の負担と、電子記録債権法に基づく信用補完のルールが背景にあります。手数料が無料の「期日入金」とは異なり資金調達としてのアクションには相応のコストが伴いますが、期日まで保有し口座に自動入金されるのを待つだけであればこれらのコストやリスクは発生しません。
割引と譲渡に関するリスクとコストを、以下の表で整理しました。
| 利用方法 | 発生するコスト・リスク | 具体的な内容・注意点 |
|---|---|---|
| でんさいの割引 | 割引料(金利) | 期日前に金融機関に買い取ってもらう際、手数料として引かれる金額。審査によって利率が変わる。 |
| でんさいの譲渡 | 遡求義務(そきゅうぎむ) | 譲渡後に支払人が倒産した場合、譲渡した側にも支払い義務が及ぶリスク。紙の手形の裏書と同じ仕組み。 |
割引を利用すれば手元の資金繰りは楽になりますが、その分利益は目減りします。
また、譲渡の際の遡求リスクは、紙の手形の「裏書譲渡」と全く同じです。
これらの仕組みを正しく理解し、自社の資金状況に合わせて賢く使い分けることが大切です。
でんさいの手数料は、原則として「発生記録を請求した側」が負担します。
しかし、「先方負担」の設定を活用すれば、取引先との話し合いで柔軟に調整することが可能です。
手数料の金額だけで判断せず、印紙税や事務手間の削減といったメリット全体を見渡してみてください。
自社の取引状況に最も合う金融機関を選び、相手先と事前にしっかり協議をすること。
それが、無用なトラブルを防ぎ、でんさいの恩恵を最大限に引き出すための第一歩になります。
986,792円+送付代金=ご送金金額