手形割引とは?現金を調達でき、入手できる現金の計算方法や仕訳などもわかりやすく解説。

BtoB取引では掛け取引が一般的な商慣行として行われています。掛け取引では一回きりの取引で終了するわけではなく、継続的に複数回の商品の納入やサービスの提供を前提にして、特定の期日でまとめて決済をし代金支払いを行うという特徴があります。となると頻繁に現金の支払いを受けることができないため潤沢なキャッシュを手元に用意するのが難しい側面があります。そこで現金の換わりに決済手段として活用されているのが約束手形に代表される手形決済です。手形決済は信用授受を与えるという点に眼目があり、30・60・90・120日というように30日単位で支払期日を将来に延長させることができます。

これを受取人などの所持人から見た場合、現金化するまで時には数ヶ月間支払いを受けることができないことになります。そのような事情を背景に、考案されたのが手形割引で満期前に現金を得るという方法です。手形割引を活用することでキャッシュフローを改善できます

手形とは?

【約束手形・為替手形】手形の種類について

手形とは権利が表章され一体化された有価証券のひとつで、為替手形と約束手形が代表的です。当初は海外など遠隔地での商取引を安全に実施するために、為替手形が発明されました。振出人が支払人に金額支払いを委任し、受取人が商品を受け取った段階で手形券面額を支払うというものです。これに対し現在商取引で重要なのは約束手形ですが、これは振出人が所持人に対し特定に期日に現金を支払う債務を負っている有価証券で、手形割引などで譲渡することも可能です

約束手形の見本

約束手形の見本
①手形の種類

約束手形であることが一目でわからなければなりません。
統一手形用紙にははじめから印刷されています。

②受取人

手形を受取った人の名前です。個人の場合は名前だけ、法人の場合は商号だけで問題ありません。

③手形金額

通常はチェックライターで印字をします。
金額の始めには「¥」を終わりには「※」又は「★」等を印字します。
手書きの場合は漢数字を使います。書き換えられ易い「一」は「壱」・「二」は「弐」・「三」は「参」・「十」は「拾」という漢字で書き、金額の始めには「金」を終わりには「円也」を記入します。
手形金額が訂正されているものは無効です。

④支払期日

統一手形用紙は、確定日払いの方式を取っています。
支払期日は暦に実在する日を書くべきですが、9月31日等暦にない日を書いた場合には、その月の末日を表示したものとみなし有効な手形として取り扱われます。

⑤支払地

統一手形用紙の場合、支払地は印刷されています。

⑥支払場所

統一手形用紙の場合、支払場所(銀行の支店名等)は印刷されています。

⑦支払約束の文言

振出人が手形の所持人に対して手形金額の支払いを約束する文言です。「上記金額をあなたまたはあなたの指図人へこの約束手形と引き替えにお支払いいたします。」と印刷されています。この部分に「商品と引替えにお支払します。」や「5回に分けてお支払します。」等の文言が加えられていると手形自体が無効になります。

⑧振出日

手形を振出した日付ですが、振出日が空欄の場合、銀行に取立依頼するときに日付を入れます。

⑨振出人

個人振出の場合、自分の氏名を署名・捺印するか、記名・捺印します。銀行への届印の押印がなければ銀行は支払いません。捺印の位置は、氏名の末尾に続けてします。氏名に多少かかってもかまいません。
法人振出の場合は、「商号」「代表者の肩書」「代表者個人の氏名」を必ず書かなければなりません。
手形に署名・記名する代表者の氏名及び使用する印鑑はあらかじめ支払銀行に届出ておく必要があります。
届出た代表者氏名の記載と印鑑のある手形でないと銀行は支払いません。

⑩印紙

約束手形・為替手形ともに印紙税法により手形の作成者が印紙を貼り割印をしなければなりません。
手形の額面金額に応じて下記のとおり印紙税額が変わります。

10万円未満・・・・・・・・・・・・・・・非課税

10万円以上~100万円以下・・・・・・・・200円

100万1円以上~200万円以下・・・・・・・400円

200万1円以上~300万円以下・・・・・・・600円

300万1円以上~500万円以下・・・・・・1,000円

500万1円以上~1,000万円以下・・・・・2,000円

1,000万1円以上~2,000万円以下・・・・4,000円

2,000万1円以上~3,000万円以下・・・・6,000円

3,000万1円以上~5,000万円以下・・・10,000円

5,000万1円以上~1億円以下・・・・・20,000円

※ 印紙が無くても手形そのものは無効にはなりません。

為替手形の見本

為替手形の見本
①手形の種類

為替手形であることが一目でわからなければなりません。
統一手形用紙にははじめから印刷されています。

②支払人(引受人名)

為替手形では引受人が手形上の引受署名をした以上、手形金を支払うという絶対支払義務を負います。約束手形の振出人と同様です。

③手形金額

通常はチェックライターで印字をします。
金額の始めには「¥」を終わりには「※」又は「★」等を印字します。
手書きの場合は漢数字を使います。書き換えられ易い「一」は「壱」・「二」は「弐」・「三」は「参」・「十」は「拾」という漢字で書き、金額の始めには「金」を終わりには「円也」を記入します。手形金額が訂正されているものは無効です。

④支払期日

統一手形用紙は、確定日払いの方式を取っています。
支払期日は暦に実在する日を書くべきですが、9月31日等暦にない日を書いた場合には、その月の末日を表示したものとみなし有効な手形として取り扱われます。

⑤支払地

統一手形用紙の場合、支払地は印刷されています。

⑥支払場所

統一手形用紙の場合、支払場所(銀行の支店名等)は印刷されています。

⑦支払約束の文言

受取人は振出人と引受人(支払人)との債務の有無や、資金関係の有無に係らず支払いを受ける権利があります。
受取人は為替手形の第一裏書人となります。
「為替手形」の大部分は、振出人と受取人が同じ企業または人物となっていることが多いようです。

⑧振出人

為替手形の振出人欄に署名・記名する代表者の氏名及び使用する印鑑は銀行への届印でなくともかまいません。

⑨引受人

為替手形の場合、支払人は振出人から支払人として指定されただけで支払義務を負うことにはならず、引受署名をして初めて支払義務を負う事となります。
個人引受の場合、自分の氏名を署名・捺印するか、記名・捺印します。銀行への届印の押印がなければ銀行は支払いません。
法人引受の場合は、「商号」「代表者の肩書」「代表者個人の氏名」を必ず書かなければなりません。
手形に署名・記名する代表者の氏名及び使用する印鑑はあらかじめ支払銀行に届出ておく必要があります。
※引受日は振出日と同じかもしくは振出日以降の日付でなければなりません。

⑩印紙

約束手形・為替手形ともに印紙税法により手形の作成者が印紙を貼り割印をしなければなりません。
手形の額面金額に応じて下記のとおり印紙税額が変わります。

10万円未満・・・・・・・・・・・・・・・非課税

10万円以上~100万円以下・・・・・・・・200円

100万1円以上~200万円以下・・・・・・・400円

200万1円以上~300万円以下・・・・・・・600円

300万1円以上~500万円以下・・・・・・1,000円

500万1円以上~1,000万円以下・・・・・2,000円

1,000万1円以上~2,000万円以下・・・・4,000円

2,000万1円以上~3,000万円以下・・・・6,000円

3,000万1円以上~5,000万円以下・・・10,000円

5,000万1円以上~1億円以下・・・・・20,000円

※ 印紙が無くても手形そのものは無効にはなりません。

手形支払いを利用したときの流れ

何らかの代金が発生する取引をした場合、数ヶ月先の将来で支払いたいとします。このとき手形を振出して、支払い金額を記載した手形を交付します。手形の交付を受けた受取人は、期日まで保持することもできますが、手形割引などで裏書譲渡して対価として現金を得ることも可能です。いずれにしても手形に記載されている支払期日が到来すれば、所持人は銀行に持ち込みます。振出人が所定の金額を当座預金口座に入金されていれば手形交換所を経由して、所持人の口座に券面額が入金されて手形割引も終了になります。

手形支払いを利用したときの流れ

手形割引を簡単に解説

手形割引の仕組みと流れ

手形(約束手形)は記載されている支払日が到来すれば、所持人は銀行に持ち込んで手形交換所を経由し、現金の振込みを受けることで商品代金などを回収するのが原則です。しかし手形の支払期日は30日刻みで数ヶ月先に設定されているのが普通です。下請法などの規制を嫌う大企業などでは、半年以上先の日付で支払期日が設定されていることも珍しくありません。ところが、受取人を含め所持人からすれば新たな事業活動のための資材購入費や人件費などに現金が必要で、キャッシュフローが途切れると倒産の可能性もあります。このように満期到来前に手形を現金化する需要に応えるのが手形割引です。

手形割引では、まず受取人(所持人)が取引先銀行か手形割引業者に手形を持ち込み、手形割引依頼を行います。この受取人を手形割引依頼人と呼び、銀行や手形割引業者のことを割引人(手形割引人)と呼びます。手形割引の申込みを受けると、割引人は振出人や手形割引人の視力などについて審査を行い、審査を通過すれば銀行や手形割引業者から現金の振込みを受けることになります。

つまり手形割引とは支払期日前(満期前)に銀行などの金融機関や手形割引業者などに持ち込んで、現金化する取引のことを指します。ただし手形割引を利用したときは、券面額満額の現金を得ることが出来るわけではありません。手形割引を利用したときは、手形割引料と手形交換所利用手数料などを券面額から控除された金額が入金されることになるわけです。

手形割引の流れ

手形割引の審査

銀行や手形割引業者に、手形割引の申込みを行うと審査が行われます。
審査により手形割引の可否の決定と手形割引料の決定などが判断されることになります。手形割引を申し込んだ側からすれば、手形割引で現金化を受けることができるか否かが決まるので、非常に重要です。

この手形割引の審査では、振出人の信用力や裏書人の信用力、割引依頼人(手形割引を申し込んだ人)の信用力が対象になります。手形割引の審査のなかでもとりわけ重視されるのが、振出人の信用力の点です。約束手形では振出人が絶対的な支払い責任を負っています。手形割引は実質的には手形を買取ることを意味しているので、支払期日に支払い不能になってしまい不渡り手形にでもなれば保証責任を負う裏書人などが責任追求を受けることになります。最悪の場合には連鎖倒産の可能性もあり、金融機関などにとっては不良債権となるリスクがあります。そのため手形割引では、振出人の経営状況や過去の手形取引の実情や支払い遅延の有無などが主な手形割引の審査の対象になるわけです。

手形割引の審査のイメージ

手形の裏書きとは?

取引代金を決済するために約束手形を所持人が振り出すと、最初に手形を受け取るのは受取人ということになります。支払期日まで所持しておき、支払期日が到来すれば取引先銀行に持ち込んで、支払い提示を行えば券面額満額の支払いを受けることができます。この場合、受取人と所持人は一致することになります。しかし約束手形は第三者に譲渡して支払期日前に対価を得たり、他の取引の決済手段として手形を交付することも認められています。手形割引が典型的事例ですが、このとき第三者に手形を譲渡することを裏書と言います。

ここに裏書の意義を確認しておくと、手形の裏面に譲渡する人(裏書人)が譲渡を受ける相手(被裏書人)の名前を記載することです。手形の裏書の意味するところは、指名債権の譲渡にあります。指名債権とは権利を請求する相手方が確定している債権のこと。指名債権のような請求権(債権)は通常のモノを販売するのと同様に譲渡することができます。ただ指名債権の譲渡は内容証明郵便で請求する相手方に通知するなどの煩雑な指名債権譲渡の手続きが必要です。

手形の裏書見本

そもそも約束手形などの手形は、権利流通が容易で現金に代替する機能を備えていればより利便性が増し、信用性が得られるので社会経済的にも有益です。そこで手形では指名債権譲渡の手続きの簡略化を認め、裏書人欄に署名して手形を交付することで、手形金支払い請求権の容易な移転を実現しました。このように裏書は手形の転々流通を可能にし、現金に代替できる機能を扶養するなど重要な効果をもたらします。手形割引で必須の裏書に、保証責任が発生するという法律上の効果を持たせています。仮に手形割引後に不渡りになったときは裏書人は振出人にかわって手形を払いもどす義務を負っているわけです。手形割引の利用に至っては、手形のこのような特性を十分認識する必要があります。

手形の裏書見本>>

手形割引のメリット

メリット1:資金化(現金化)が早期にできる

手形割引を利用することの最大のメリットは、支払期日を待つことなく銀行や手形割引業者から現金を得ることができる点です。仮に手形割引が存在しないとなると、支払期日に満額の現金を入手できる見込みがあっても、入金前に運転資金が枯渇する可能性があります。手形割引を利用すれば、手形割引手数料などを控除されるとはいえ、必要なときに現金を用意できるわけです。

ところが手形割引でも審査はあり、銀行では通過できない可能性があります。その場合でも手形割引専門業者であれば、審査を通過して手形割引を利用できることは多いにありえます。手形割引業者では手形割引手数料が若干発生するものの、手形割引なら事業融資などに比べても低い金利で現金を得ることができるのです。

手形割引審査のイメージ

メリット2:融資に比べ審査時間が圧倒的に短い

時間のイメージ

現金を工面する場合、手形割引のほかに融資を受ける選択肢も存在します。しかし銀行などの融資はもちろん公的機関が保証する融資にしても、審査までの時間は二週間からときには一月以上の時間が必要になることもあり、その点、手形割引では審査は通過しやすい傾向があります。なぜなら手形割引の振出人は大企業であることが多く、手形割引の審査の重点は振出人の信用性にあるので手形割引依頼人の信用性はさほど時重視されないからです。したがって手形割引を利用すれば、融資の審査では通過できないような受取人の信用力でも現金を確保することも叶うことになります。手形割引は融資に比べても審査が非常にゆるく、ここに手形割引で現金化が容易の理由があるのです。

メリット3:連帯保証人が不要

手形割引は銀行や手形割引業者を利用して行いますが、連帯保証人はほとんど不要です。銀行での融資や消費者金融のビジネスローンなどでは、会社代表者などが連帯保証人になるのが条件になっているのとは対照的です。手形割引で連帯保証人が不要とされているのは、裏書による保証責任で支払いが担保されているからです。手形割引では裏書で譲渡することになりますが、振出人が不渡りになっても、裏書人を所持人からの償還請求に応じる義務を負います。平たく言えば手形割引では裏書人の数だけ保証人が存在しているのと同じになります。そのため手形割引では連帯保証人が不要とされています。また手形割引の対象の振出人は診療力のある企業であることも多いことも、手形割引では保証人が不要な理由に加えることができます。

メリット4:ファクタリングに比べ手形割引料(手形割引手数料)が安い

手形割引と同様に売り掛け取引で現金化する点で類似するものだと、ファクタリングがあります。ファクタリングとは入金までのタイムラグ(支払サイト)がある債権を買取る取引のことです。手形割引は手形割引手数料を金利とする実質的に融資です。そのため手形割引は出資法などの規制を受けるので、金利も安く設定されています。ところがファクタリングはあくまで債権の売買取引であって、出資法などの制限はありません。特に2社間ファクタリングでは実質金利が30%以上も請求される可能性があります。その点、手形割引では、手形割引料は年利換算で数%が相場、手形割引業者でも高いところだと15%で止まるようです。ファクタリングに比べれば手形割引の手形割引手数料のほうが遥かに低くなるのもメリットといえます。

ファクタリングとは(外部リンク)>>

メリット5:面倒な手続きが少ない

手形割引でも審査があるので、銀行などの融資と同様必要書類を揃える必要があります。融資申し込み時には財務状況を明らかにする直近3年分の決算書や、貸借対照表・決算書なども必要です。審査を通過しても保証人を立てたり、抵当権などの担保権設定を要求されることもあるため、手続きが面倒になります。

これに対して手形割引では申込書に記入し、手形発行会社の商号や本店住所・手形金額などのデータがあれば申込みが終了し審査に入ります。しかも手形割引では審査のための時間も短く、迅速な現金需要にも対応できます。ファクタリングにおいても掛け取引に関する帳簿類などが必須のことを踏まえると、手形割引はファクタリングに比較しても、手間が少ないと評価できます。

手形割引のメリットのイメージ

手形割引のデメリット

手形割引のデメリットのイメージ

デメリット1:不渡り時など買戻しのリスクがある

手形割引では、約束手形を利用することで起因する特有のリスクがあります。それは手形割引に出した約束手形の支払期日に振出人が支払うことができず、不渡りになるときに顕在化します。手形割引において裏書をした者は後の裏書人や所持人に対して保証責任を負っています。仮に手形割引の対象になっている約束手形が不渡りになると、裏書署名していると手形を買い戻す必要があります。このように振出人の不渡りで償還義務履行の可能性が手形割引での主なリスクです。

デメリット2:手形の額面の金額を必要な金額だけに分割しにくい

手形割引では券面額全額を現金化することになります。必要な現金は小口であるにも関わらず、手形割引を利用すると必要以上の金額でもすべて現金化する必要があるのです。振出人の同意を得ることができれば可能な場合もありますが、原則として手形割引は小口化して現金化するというニーズには対応していないのが現実です。

~こういう方法もあります。~

電子記録債権(でんさい)を利用する。

でんさい割引も手形の割引と基本的な考え方は同じで、割引業者に譲渡することで債権金額(-手数料)を支払期日より前に受け取ることができます。 紙の手形の割引と異なるところは、必要な分だけ分割(小分け)して割引ができる点です。 紙の手形の場合は、手形の額面に記載の金額を割引しなければなりませんが、でんさいさいの場合はそのような縛りはなく、数回に分けて必要な分だけ現金化することができます。

でんさいを詳しく知る(外部リンク) >>

デメリット3:手形割引料(手形割引手数料)が発生する

手形割引は券面額を100%現金化するわけではありません。融資の金利に相当する手形割引手数料などが控除されて現金化されます。この部分が、手形割引に関与する銀行や手形割引業者の収益の源泉になる部分です。そのため手形割引の利用コストと甘受するほかありません。

手形割引料(手数料)について

手形割引料(手形割引手数料)の一般的な相場

手形割引において、手形割引料は実質利息に相当するので相場が気になるところです。手形割引で確認しておきたいのは実質が融資であるため出資法や利息制限法などの規制を受ける点にあります。手形割引では都市銀行から地方銀行・信用金庫や手形割引専門業者などが、取り扱っており手形割引料の相場も異なります。一般的に手形割引料は、都市銀行を初めとした銀行では2~3.5%、信用金庫で2.5~4.5%、手形割引専門業者で2.5~15%ほどとなっています。手形割引手数料は手形割引依頼者や振出人の信用性や、支払期日までの期間などにより変動します。ただ手形割引は融資に該当するので、都道府県知事などに登録している正規の事業者を利用するのが必須です。

手数料のイメージ

手形割引料(手形割引手数料)の計算方法

それでは、手形割引の主要なコストである手形割引手数料を簡単に計算できる方法はないのでしょうか。ここで手形割引手数料を簡単に計算できる方法の公式を確認しておきます。

手形割引手数料手形券面金額×年利換算した手形割引率×支払日までの日数÷365(日)

となります。

手形券面金額とは手形に記載されている金額のことで、手形割引率とは銀行などの金利相当額のことです。支払期日までの日数を1年間あたりの365日で割っているのは、日割計算して手形割引手数料を算出するためです。手形割引では30.60.90日、というように30日区切りで支払期日も設定されるので、利用する期間も数ヶ月程度になります。そのため厳密に日割り計算して、手形割引手数料を算出する必要があり、最終的に手形割引で必要になるコストの総額は手形割引手数料+銀行などの取立用手数料、で計算することになります

それでは簡単な事例をもとに手形割引料の簡単に計算した事例をしまします
手形割引を希望する手形券面額が1000万円・年利2%・支払期日までの日数90日、取立手数料1000円という場合、
1000万円×0.02×90÷365=49315円が手形割引手数料になるので、
49,315+1,000で50,315円が手形割引手数料として券面額から控除されます。
したがって想定事例で手形割引を利用した場合、簡単に計算すると9,949,685円の現金となります。

手形割引計算シミュレーター >>

計算のイメージ

手形の割引料にかかる消費税の取扱は?

手形割引を利用したときは、金融機関から割引料などが控除された金額が振込み依頼人の口座に入金されます。このとき入金額に影響を及ぼすため、割引料には消費税が課税されるかが問題になります。

結論として、手数料は消費税非課税対象とされているので消費税はかかりません。それというのも割引料の本質は消費税の課税対象になるサービスの提供と評価することができず、むしろ割引日から決済日までの機関に対応する金利と評価されているからです。そのため手形割引で手数料に消費税を加算して請求するようであれば担当者に確認するべきでしょう。

銀行と手形割引業者の違い

手形割引は銀行と手形割引業者のいずれかを選択することになります。同じ手形割引を利用するにしても、どのような違いがあるのかが問題となるでしょう。まず、銀行などの金融機関で手形割引を利用することのメリットは手形割引手数料の安さにあり、手形割引の都市銀行などでの優遇レートでは1%を切ることもあります。
これに対して手形割引業者では手形割引での手数料は高めになる傾向があります。もっとも最近では手形割引の前提になる手形流通量が減少傾向にあり、手形割引業者でも手形割引手数料は低下する傾向にあるため、銀行などとの差は少なくなっています。
そして手形割引ではゆるいといっても審査があります。都市銀行などでは比較的審査が厳しく手形割引利用を拒否される可能性は否定できません。これに対して手形割引業者では手形割引手数料を少し高めに設定してリスクを回避しているので、手形割引の審査も通過しやすいのは確かです。

銀行と手形割引業者のどちらを選択するかは、それぞれの長所短所を意識して手形割引の利用先を判断するべきでしょう。

手形割引の仕訳について

割引の仕訳

手形割引で現金化したときには、受取手形について仕訳けすることになります。貸方には受取手形の券面額を記載しますが、借方には入金された普通預金と、手形割引手数料相当額の手形売却損、そして金融機関への手数料を支払い手数料として仕訳けします。

対照勘定法

割引手形が支払期日に支払われなかった場合、つまり不渡りになったときは手形を買い戻し、保証債務を履行することになります。これは手形割引した時点では偶発債務(将来において偶発して負担する可能性のある債務)の位置づけに過ぎません。そのため帳簿上で備忘記録を行うになります。
この仕訳け処理を対称勘定法で仕訳するときは、手形割引時に受取手形を直接減額すると同時に、手形割引義務見返と、手形割引義務という対称勘定を使用して備忘記録を行います。

つまり手形割引債務を負担しているので貸方に受取手形の券面額を、借方に手形割引義務見返しを仕訳けします。その後無事手形の支払いがされた場合には、手形割引義務と手形割引義務見返りを対称勘定で仕訳けします。

評価勘定法

手形割引で不渡りになった場合に備えて行う仕訳なら、評価勘定法でも行うことができます。対称勘定表では受取手形を直接減額して、不渡り時の偶発債務を備忘記録のために仕訳を行います。これに対して評価勘定法では、割引手形という勘定科目を使用して偶発債務の帳簿上の備忘記録を行う点で異なります。このとき受取手形勘定科目の総額から、割引手形仕訳分を控除した額が手元にある受取手形の真水の部分を意味するわけです。
具体的には貸方に割引手形に券面額を仕訳し、借方には当座預金として実際の入金額を割引で控除された金額を手形売却損として仕訳します。後日振出人が無事手形の支払いを行えば、受取手形と割引手形の勘定科目では対象勘定で仕分けすることになります。

まとめイラスト

手形割引は支払期日に券面金額を支払う手形の特性を利用して現金化するのが特徴です。手形割引の場合、審査は通過しやすく、銀行や手形割引業者が取り扱っています。手形割引の特徴は、保証人が不要で手続きも簡素でファクタリングなどに比較して、手形割引手数料が低い点にあります。他方で手形割引は、不渡り時は払い戻し義務が発生したり、手形割引を都度便宜的に小口化して現金化するのが困難というデメリットもあるのです。
また、手形割引では券面額から手形割引手数料相当額が控除された金額が入金されます。簡単に手形割引手数料を計算する公式は、券面額×年間利率×支払までの日数/365日で表すことができます。
手形割引では対象勘定法や評価勘定法で仕分けを行います。ただし注意するべきなのは、手形割引の手形手数料に消費税は課税されないことです。
そして手形割引は銀行などの金融機関のほか、手形割引業者で取り扱っていますが、それぞれの特性を踏まえて手形割引の取引先を決定する姿勢が求められます。