手形割引の豆知識

銀行と手形割引業者、どっちを選ぶ?【徹底比較】金利・審査の真実と賢い選び方

銀行と手形割引業者、どっちを選ぶ?【徹底比較】金利・審査の真実と賢い選び方

急な支払いが発生して手元資金が心もとない。
そんな時、取引先から受け取った約束手形を期日前に現金化できる「手形割引」は、心強い資金調達手段の一つです。
しかし、いざ利用しようとすると「銀行」と専門の「手形割引業者」、どちらに頼むべきか迷うのではないでしょうか。
金利や審査の基準が大きく異なるため、安易な選択は思わぬ高コストや時間のロスに繋がりかねません。
この記事では、銀行と手形割引業者の違いを「金利」と「審査」の2つの軸から徹底的に比較し、それぞれのメリット・デメリットを明らかにしていきます。

そもそも手形割引とは?仕組みと割引料の計算方法を3分でおさらい

手形割引とは、企業が受け取った約束手形を、支払期日が来る前に銀行や手形割引業者に買い取ってもらう資金調達方法です。これにより、本来なら数ヶ月先でなければ受け取れないはずの売上金を、すぐに事業資金として活用できます。

もちろん、これは無料のサービスではありません。手形を現金化する際には、手形の額面金額から「割引料」と呼ばれる手数料が差し引かれます。この割引料は、以下の計算式で算出されるのが一般的です。

手形割引料 = 手形額面金額 × 手形割引率(年率) × 支払期日までの残存日数 ÷ 365日

例えば、額面100万円の手形を、年率5.0%の条件で、支払期日の60日前に割り引いた場合の割引料は、約8,219円となります。この割引率が、銀行と手形割引業者で大きく異なるのです。

計算項目 具体例
手形額面金額 1,000,000円
手形割引率(年率) 5.0%
支払期日までの残存日数 60日
割引料の計算 1,000,000円 × 5.0% × 60日 ÷ 365日 ≒ 8,219円
受取額 1,000,000円 - 8,219円 = 991,781円

【結論】銀行 vs 手形割引業者 違いが一目でわかる比較一覧表

詳細な解説に入る前に、まずは銀行と手形割引業者の主な違いを一覧で確認しましょう。両者は似ているようで、その性質は全く異なります。

<計算シミュレーター(入力例)>

項目 銀行・信用金庫 手形割引業者
重視する信用力 依頼人(申込企業)の財務状況や返済能力 振出人(手形発行企業)の決済能力や信用度
審査の厳しさ 厳しい(銀行融資に準ずる) 柔軟(銀行の審査に落ちても可能性がある)
審査スピード 遅い(数日~1週間程度) 速い(最短即日)
金利(割引率)相場 低い(年利1.0%~5.0%程度) 高い(年利2.5%~15.0%程度)
主なメリット - 低金利でコストを抑えられる
- 信頼性が高い
- 審査が柔軟で通りやすい
- 資金化までのスピードが速い
主なデメリット - 審査が厳しく時間がかかる
- 割引枠に上限がある
- 金利が比較的高め
- 業者選びを慎重に行う必要がある
不渡り時のリスク 買い戻し義務あり(償還請求権) 買い戻し義務あり(償還請求権)

金利(割引料)の真実 - なぜ銀行は安く、業者は高いのか?

金利は資金調達のコストに直結する最も重要な要素です。
銀行と手形割引業者では、金利水準だけでなく、その金利が決まる背景も大きく異なります。
この違いは、それぞれのビジネスモデルとリスクに対する考え方の違いから生まれています。

銀行の金利:年1.0%~5.0%|「あなたの会社」の信用力が鍵

銀行が提示する手形割引率は、一般的に年利1.0%~5.0%程度と低水準です。これは、銀行が手形割引を「融資」の一環として捉えているためです。

銀行の審査では、手形を割り引く依頼人、つまり申込企業の返済能力が最も重視されます。決算書の成績が良く、財務状況が健全な企業ほど「貸し倒れリスクが低い」と判断され、低い金利が適用されるのです。逆に、赤字決算であったり、債務超過であったりすると、金利が高くなるか、割引自体を断られることもあります。

依頼人の状況 適用金利(目安)
財務状況が非常に良好な優良企業 年利 1.0% ~ 2.0%
安定した経営を続ける中小企業 年利 3.0% ~ 5.0%
財務状況に課題がある企業 審査通過が困難な場合がある

手形割引業者の金利:年2.5%~15.0%|「手形振出人」の信用力が鍵

一方、手形割引業者の割引率は、年利2.5%~15.0%程度と銀行に比べて高くなる傾向があります。その理由は、審査で重視するポイントが異なるからです。

手形割引業者は、申込企業の財務状況よりも、手形を振り出した企業の信用力、つまり「その手形が期日通りに決済されるか」という点を最優先で見ます。たとえ申込企業の経営が苦しくても、振出人が上場企業など信用力の高い会社であれば、手形は安全な債権と判断され、割引に応じてくれる可能性が高いのです。銀行が引き受けないようなリスクもカバーするため、その分が金利に上乗せされていると理解するとよいでしょう。

注意!金利上限は法律(利息制限法)で年20%と定められている

手形割引は、形式上は手形の「売買」ですが、実質的には金銭の貸付けと同じ性質を持つとみなされます。そのため、銀行・手形割引業者を問わず、「貸金業法」および「利息制限法」という法律の規制を受けます。

これらの法律により、手形割引の金利(割引率)は年率20.0%が上限として厳格に定められています。もし、これを超える金利を提示してくる業者があれば、それは違法な業者ですので絶対に契約してはいけません。この上限は、利用者が法外な金利負担を強いられることから守るための重要なルールです。

審査の真実 - 見ているポイントが全く違う!

「銀行の審査は厳しい」「業者の審査は甘い」とよく言われますが、それはなぜでしょうか。これも金利と同様に、審査でチェックしているポイントが根本的に違うからです。簡単に言えば、銀行は「申込企業そのもの」を、業者は「手形そのもの」を見ています。

銀行の審査:融資と同じく「決算書」が重視され、時間はかかる

銀行の審査は、新規融資の審査とほぼ同じプロセスをたどります。そのため、審査は厳格で、時間も数日から1週間程度かかるのが一般的です。

審査の目的は、申込企業の「返済能力」と「事業の継続性」を総合的に評価することにあります。万が一、手形が不渡りになった場合でも、申込企業に買い戻す体力があるかを見極めるため、詳細な資料の提出が求められます。

銀行 手形割引業者
主な必要書類 - 決算書(2~3期分)
- 試算表、事業計画書
- 納税証明書
- 法人登記簿謄本
- 手形原本 など
- 手形原本
- 振出人情報
- 代表者の身分証明書 など
審査期間 数日~1週間程度 最短即日~数日

手形割引業者の審査:手形自体の「信頼性」で柔軟・スピーディーに判断

手形割引業者の審査は、銀行に比べて非常に柔軟かつスピーディーです。最短であれば、午前中に申し込んで、その日の午後には現金化できるケースも少なくありません。

これは、審査の目的が「手形の決済リスク評価」に特化しているためです。申込企業の決算書を精査するよりも、振出人企業の信用情報を調査することに時間をかけます。そのため、提出書類も最小限で済み、急な資金ニーズに迅速に対応できるのです。

【実践編】あなたの会社に最適なのはどっち?ケース別診断

ここまで解説してきた違いを踏まえ、どのような場合にどちらを選ぶべきか、具体的なケースで考えてみましょう。判断のポイントは、「コスト」「スピード」「審査通過の可能性」の何を最も優先するかです。

ケース1:コスト最優先・時間に余裕があるなら「銀行」

以下のような状況であれば、迷わず銀行に相談することをおすすめします。

資金調達まで1週間程度の時間的余裕がある
会社の決算内容に自信がある(黒字経営など)
少しでも資金調達コストを安く抑えたい

銀行の最大のメリットは、何といっても金利の低さです。割引料を最小限に抑えることで、手元に残る資金を最大化できます。また、銀行との取引実績を作ることは、将来の追加融資などにおいても有利に働く可能性があります。

ケース2:スピード最優先・審査に不安があるなら「手形割引業者」

一方で、以下のような切迫した状況では、手形割引業者が有力な選択肢となります。

急な支払いが迫っており、即日現金が必要
赤字決算や債務超過で、銀行の審査に通るか不安
振出人は信用力の高い大手企業である

手形割引業者の強みは、そのスピードと審査の柔軟性です。多少金利が高くなったとしても、資金ショートによる黒字倒産といった最悪の事態を回避できるメリットは計り知れません。銀行に断られてしまった場合でも、諦めずに相談してみる価値は十分にあります。

契約前に!手形割引の隠れたリスクと注意点

手形割引は便利な資金調達方法ですが、契約前に知っておくべき重要なリスクも存在します。特に「償還請求権」と「悪徳業者の存在」には、細心の注意が必要です。

不渡り時の「買い戻し義務(償還請求権)」は共通の最大リスク

手形割引を利用する上で、最大の隠れたリスクが「償還請求権(しょうかんせいきゅうけん)」です。これは、万が一割り引いた手形が不渡り(決済不能)になった場合、割引を依頼した企業がその手形を額面金額で買い戻さなければならない、という義務のことです。

悪徳業者に注意!信頼できる業者の見極め方

残念ながら、手形割引業者の中には法外な手数料を請求したり、不透明な契約を結ばせようとしたりする悪質な業者も存在します。安全に取引するため、業者選びは慎重に行いましょう。

チェック項目 確認するポイント
貸金業登録 国や都道府県の「貸金業登録」を受けているか必ず確認する。
手数料の透明性 割引料以外に「調査料」「事務手数料」などの名目で追加費用がないか確認する。
金利 年率20.0%の上限金利を超えていないか確認する。
連絡先 本社の住所が明記されており、固定電話の番号があるか確認する。
担当者の対応 契約を急かしたり、質問に真摯に答えなかったりしないか。

比較検討:手形割引以外の資金調達方法(ファクタリング等)

資金繰りを改善する方法は、手形割引だけではありません。状況によっては、他の方法がより適している場合もあります。特に、手形割引とよく比較される「ファクタリング」との違いは理解しておくと良いでしょう。

項目 手形割引 ファクタリング(2社間)
対象債権 約束手形、でんさい 売掛金(請求書)
法的性質 金銭の貸付け(融資) 債権の売買
手数料/金利 年利1.0%~15.0%(上限20%) 手数料8%~18%(上限なし)
償還請求権 あり(不渡り時に買い戻し義務) なし(売掛先が倒産しても返済義務なし)
取引先への通知 原則不要 不要

ファクタリングは、売掛金(請求書)を売却して資金化する方法です。最大のメリットは、償還請求権がないため、売掛先の倒産リスクを完全に切り離せる点です。ただし、手数料は手形割引の金利よりも高額になる傾向があります。

その他、銀行からの融資である「手形貸付」や「証書貸付」なども、運転資金や設備投資のための有力な選択肢です。

まとめ:金利と審査の違いを理解し、自社に最適な資金調達を

手形割引における銀行と手形割引業者の選択は、企業の状況によって正解が変わります。最後に、この記事のポイントを振り返ります。

【手形割引業者】
強み: 審査が柔軟で、スピーディーに現金化できる。
弱み: 金利が比較的高め。
向いている企業: 緊急で資金が必要、または銀行の審査に不安がある。

どちらを選ぶにしても、共通のリスクである「償還請求権」の存在は忘れてはなりません。自社の資金繰りの状況と、「コスト」と「スピード」のどちらを優先するかを明確にした上で、両者の特性をよく理解し、賢く使い分けることが重要です。まずは複数の選択肢を検討し、見積もりを取ることから始めてみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

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中屋 弥

職業:WEBコンサルティング会社代表兼最高財務責任者

トヨタ東京カローラ株式会社、株式会社GMOインターネット、その他ITベンチャーにおいて取締役兼財務管理担当などを経て、WEBコンサルティング会社を経営。
現在は経営の傍ら、金融系コラムを寄稿する事を主として活動。

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